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婦人科腫瘍学標準治療から最先端の集学的癌治療について
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周産期医学正常・異常妊娠経過から母児集中管理センター(MFICU)での母児救命医療について
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生殖医療内分泌学検査から高度生殖補助医療について
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女性ヘルスケア月経機序、更年期障害、骨粗鬆症、代替支持療法など女性の健康管理についても幅広く
産婦人科は4つの柱から構成されます
私たちの考える産婦人科医療
岩手医科大学産婦人科学講座
主任教授 馬場 長
岩手医科大学産婦人科の馬場 長です。当科は1928年に登倉達雄先生が開講後、もうすぐ95年を迎えます。小暮健一郎先生、泰良麿先生、西谷巌先生、利部輝雄先生、杉山徹先生の後任として、2018年10月より私が主任教授を務めています。
産婦人科は女性の生涯に寄り添います。思春期からお母さんになるまでは月経にまつわる様々な悩みに。妊娠中は母体の健康とお腹の中の赤ちゃんの発育に。妊娠しにくい女性や、逆に妊娠を望まない女性には一人一人の体の状態や生活スタイルに合わせて生殖補助治療もしくは避妊の手立てを。閉経前後に心身の揺らぎを迎えた方にはホルモン補充や漢方治療、骨粗鬆症対策を。また、全生涯を通して、子宮や卵巣にできる腫瘍の予防、検診、治療を。
私たち岩手医科大学産婦人科は女性の多様な心身の変化や疾患に対して、一人一人のライフスタイルやライフステージに応じた医療を提供します。
岩手県は広く、病院や診療所、医師の数など産婦人科医療資源には限りがありますが、各地域の病院・診療所・クリニックの医師、薬剤師、助産師、保健師、看護師、ソーシャルワーカー、および行政担当者と連携し、県民の皆さんに良質な産婦人科医療を届けるよう努めます。
産婦人科医療を求める妊婦さんや患者さんのほとんどが家庭や社会の中心的役割を果たしています。これまで診断や治療に難渋していた疾患や、治療にあたって心身に大きな負担のかかる疾患に苦しんでいた患者さんが明るく元気に復帰することが家庭や社会に力を与えます。当科では日本の未来を明るくすることを使命として診療だけでなく、研究・教育にも力を注いでいます。
当科では産婦人科の主要4分野(婦人科腫瘍、周産期、生殖医療、女性ヘルスケア)にそれぞれ専門医を擁しています。矢巾本院には県内唯一の総合周産期母子医療センターがあり、県内全域の周産期救命医療の要として新生児集中治療室(NICU)と協同して日夜、母児の診療に当たっています。さらに矢巾本院ではこれまでの婦人科がん治療に腹腔鏡やロボットで行う鏡視下手術を組み入れ、国内外の新規薬物治療治験にも多数参加することで最新の治療選択肢を増やすように努めています。
一方、内丸メディカルセンターではリプロダクションセンターを設け、臨床遺伝科とも連携しながら一般不妊治療から高度生殖補助医療を行っています。さらに妊娠に向けて体を整えるために積極的に腹腔鏡や子宮鏡などの低侵襲手術に取り組んでいます。現在では子宮筋腫に対する手術の8割以上が低侵襲手術で行われるようになりました。今後も各分野の診断、治療に精通するだけでなく、より安全でより確実な産婦人科医療を提供できるように教育・開発体制を敷いています。
岩手県の産婦人科医療は私たち岩手医科大学産婦人科と県内の病院・クリニックにお任せください。「医は手」で、女性の健康のためにあらゆる「手」を尽くして寄り添うことをお約束します。